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子どもが変わる7つの秘訣
《子育てアドバイス》

「脳科学」「心理学」「教育学」の観点から「子どもが変わる7つの秘訣」をご紹介致します。

子どもが変わる。

7つの秘訣

秘訣1 「心の安全基地」をつくる

米国の心理学者であるメアリー・エインスワースが1982年に提唱。子どもは親との信頼関係によって育まれる『心の安全基地』の存在によって外の世界を探索でき、戻ってきたときには喜んで迎えられると確信することで帰還することができるという考え。
つまり、安心して動き回れる「心のよりどころ」が子の成長には欠かせないということになります。ただ、これは簡単な事ではなく、現代の社会では難しい課題とされています。それは核家族化が進み、子の「安心環境をつくってくれていた祖父・祖母が近くにいない」ためです。親はどうしても子のために厳しく接しなければならない場面があります。子は「親に怒られた、否定された、、、」と感じ落ち込みますが、それを祖父や祖母が「●●ちゃんが嫌いで怒ってるんじゃないのよ」という具合にフォローしてくれたり、「なにがあっても絶対的な味方である」という安全基地を提供してくれていました。
では、どうしたらいいのでしょうか。
「親にはできる事の限界がある」「親にはできないことを他者にやってもらう」と割り切りが必要になります。子を想う気持ちは誰にも負けないかもしれませんが、「できないところは他者にゆだねることも選択とすべし」という考えをもつことが第一歩となります。友達や部活の仲間、習い事の先生や塾の先生。子どもの「心の安全基地」をつくるため、他者に協力を求めることこそが親ができる事ではないでしょうか。
また、幼少期の話も少ししましょう。人間の脳が最も発育するのは10才くらいまでの幼少期と言われています。もちろんこの時にも「心の安全基地」が大切になってきますが、方法は簡単です。
少なくとも一日に一回は「子どもをギューーーーーッと抱きしめて」あげてください。言葉はいりません。親に抱きしめられた感触とともに愛されていることを感じることができ、これを繰り返すことで脳の成長に必要な「心の安全基地」をつくることができます。

秘訣2 子どもを変化させるために環境を変える

みなさんも子どもの時に経験があるかもしれません、素敵な人との出会いが自分を変えてくれた経験はないでしょうか。学校や部活の先輩が素敵で「あの人みたいになりたい」「あの人に追いつきたい」という感情は、人を成長させるとても大きなエネルギーとなります。友達との出会い、先生との出会いなど、「出会いによる刺激」は人を変化させる起点となってくれます。
残念ながら前述のとおり、「親にできる事には限界がある」ため、この「出会いの機会をつくる事」が子どもの変化を促すよいきっかけとなります。具体的には家計の許す範囲で「習い事」や「地域のコミュニティ」に参加させ、出会いの機会を与え続ける事になります。多くのオリンピック選手や成功した実業家たちが全員と言っていいほど口をそろえて言うのが「この人との出会いで私の人生が変わった」ですから。

秘訣3 「教える」ではなく「気づきを与える」

心理学の中には「人は教わったものよりも、自分で気づいたものを深く信じる」というものがあります。我々大人はどうしても「こうすればこうなる」という未来予想図のようなものを経験や感覚でわかるため、子どもに対して「こうしてるとこうなるよ」という言い方で伝えてしまいます。もちろん、時にはこのような伝え方も必要にはなりますが、できる限り「自分で気づくきっかけづくり」を意識した方が、より子どもの変化を強く促せます。
親としては「転ばぬ先の杖」のつもりで助言したくなりますが、「転んでみて初めてわかる痛み」というのもあります。「こうすればよかった」「こうしていれば結果は違ったかも」と子どもが気づき、それを糧として次のステップに進んでいけるよう見守ることも大切な子育てになります。
ではどのようにすればいいのでしょう。
それは「考えさせる」ことです。「どうしたらできるようになると思う?」という具合に質問をし続け、とにかく「自分で考える時間」をつくってあげます。私たち大人はただそれを温かく聞いてあげるだけ。よほどの危険がない限り「そうね、やってみたら」と背中を押してあげてください。自分で考えたことなので、うまくいかなかった時の「振り返り」も、教えられたときよりも数倍の効果が期待できます。

秘訣4 「憧れエネルギー」を刺激する。

モチベーションには「脱却エネルギー」と「憧れエネルギー」の2つがあります。今の苦しい状況から脱出したい、もとの平穏な状況に戻したいというのが「脱却エネルギー」ですが、これは「脱却することが目的」になりますから、脱却できた時点で終了となります。夏休みの宿題などがいい例かもしれません。「宿題を終わらせることがゴール」で、「なんのために?」を考えなくなり、ただ単に机に向かうだけになります。
逆に「こうなりたい」と欲するのが「憧れエネルギー」です。「素敵な先輩みたいになりたい」という憧れもそうですが、「こういう自分になりたい」という目標も「憧れエネルギー」になります。「憧れエネルギー」というのは、ある程度達成されると次の「憧れ」が生まれてきます。「●●先輩のような立派なキャプテンになりたい」などの憧れに終わりはないですよね。実はこの憧れエネルギーを刺激することこそが、子どもの変化を促すとても大切な手法となります。
ではどうしたらいいのでしょう。
まず第一に「心の安全基地」づくりが必要です。土台となる部分がないとジャンプできないですよね。次に「出会いによる刺激」、そしてその中から生まれる「気づき」、この一連の流れが子どもを大きく変化させていきます。

秘訣5 「道すじ」が見えたら継続力が飛躍的に上がる。

実は心の火をつける事よりも、心の火を灯し続ける事のほうが難しいんです。みなさんにも経験があると思いますが、「明日からこうしよう」「いつまでにこうなる」と決めたときは鼻息も荒く、やり遂げる自信に満ち溢れています。ですが、1週間経ち、1か月経ちするとだんだんその火は小さくなっていきます。この継続の力こそ難関であり、大人の出番とも言えます。

ひとつ例を挙げます。あなたが「富士山に登る」という目標を立てたとします。その時に下記の情報を得られていたとしたらどうでしょうか。
・登山ルートは4つある。
・五合目(半分)まで車で行けるルートもある。
・装備のレンタルもあり、安価。

大変そうだけど、それなら登れるかもという気持ちになりませんか。さらに、
・登山の所要時間は5~6時間(登り)、標高差(登る高さ)は1500m程度。
・お金はかかるがガイドの方に同行してもらえる。
・近くのホテルを利用すれば2泊3日で十分いける。
いかがでしょうか。「富士山に登る」ということを具体的な方法(情報)
で書いていくと、できそうなこと、難しそうなことが明確になっていき、「どうすればいいんだろう」という思考になりませんでしたか。

子どもの「憧れエネルギー」を刺激させ、目標を立てるところまではいいのですが、そこから先「どうしたらその目標を達成することができるのか」その道筋が見えているかどうかで「継続の力」が大きく変化しますので、そここそ大人の出番となります。スポーツであれば、その道をよく知るインストラクター、勉強であれば塾の先生といった具合に「どうしたら達成できるのか」わかっているプロと子どもを引き合わせることができれば、継続の力はより一層高まります。ちなみに根拠はなくても「この先生と一緒に頑張ったら達成できそう」と子どもが思っていたら温かく見守ってあげましょう。

秘訣6 「努力したこと」を承認する。

学習塾業界の中でも「生徒を褒めて伸ばそう」という動きは非常に多くなっています。しかし、大切なのは「子どもが褒めてほしいと思っていることを褒める」ということであって、褒めればいいというものではありません。よく例でお話しするのが、髪を切ってきた女性に「素敵な靴ですね」と褒めても本人のモチベーションは上がらず、下手すると嫌われてしまうくらいの大ダメージになります。子どもも同じで、「褒めてほしいポイントを的確に褒める」ということが大切であって、手当たり次第に褒めていると「全然、私のこと見てくれていない」とがっかりさせてしまうことになります。
ではどうしたらいいのでしょう。
それは結果がどうであれ「努力したことを褒めてあげる」ことです。簡単なようですが、もう少しメカニズムを解説していきます。まず、努力と結果は必ずしも一致しません。多くの場合、結果とは他者も関係しますから、運悪く対戦相手が強かった、他の子の出来もよかったため順位はあまり変わらなかった(学校のテスト)など、他の影響を受けます。この状況下で褒めようとすると「頑張ったのに残念だったね」と「残念な理由探し」になってしまい、これは褒めたことにはなりません。そこで結果ではなく「プロセス」にだけフォーカスをあてたらどうなるでしょうか。他者は関係なく、その子の努力そのものになりますから褒められた方も嬉しくなります。つまり、「絶対的なもの」「ゆるぎない具体的なもの」を対象として褒めることができるため、褒める内容も具体的になり、本人も「なぜ褒められているのか」理解しやすくなります。「あなたの頑張りを私が一番わかっている」というアピールにつながるのが「褒め」になります。

秘訣7 前に進みたいなら「ブレーキの解除」

子ども「あるある」で多いのが「よくない思い込み」に縛られて身動きができなくなっているケースです。こちら側からしてみれば「よかれ」と思って声をかけているのに、それが逆効果になってしまっていることが少なくありません。例えば、親が「お兄ちゃんができているんだから、あなたも頑張ればできるわよ」と励ましているつもりでも、子どもは「お兄ちゃんはできているのに、なんでおまえはダメなんだ」と言われている気分になります。これはひとつの例ですが、このような食い違いが積み重なり、「ぼくはお兄ちゃんより出来が悪い」「なにをやってもお兄ちゃんより劣っている」という「よくない思い込み」が心のブレーキとなって、「憧れエネルギー」を阻害したり、挫折の言い訳をやる前から考えるようになったりします。このような状況で心のアクセルを踏もうとしても前には進めず、ストレスとして蓄積されていってしまいます。
ではどのようにしたらいいでしょうか。
多くの場合、親の発言が影響していますので残念ながら親だけではこの「よくない思い込み」を払しょくさせるのは難しいでしょう。第三者の力を借りて、まずは「よくない思い込み」を探り、その原因となっているものをつきとめ、それでその「よくない思い込み」を全否定してあげる。このようなプロセスが必要となります。

「よくない思い込み」の例
自分は頭が悪い。
自分はなにをやってもダメだ。
自分は誰からも好かれていない。
自分のことなんて誰も気にしていない。
自分は常にいい子でいなければならない。