算盤と電卓
「算盤(そろばん)」はabacus、「電卓、計算機」はcalculatorです。
abacusの複数形には、abaciとabacusesという2つの形があります。現在の一般的な英語では、abacusesの方がよく用いられます。
calculatorは、calculate「…を計算する」の派生語です。
次の大学入試の英文では、算盤と計算機が両方とも登場しています。
Electronic calculators have not even ended the use of the abacus, and more than a century after Thomas Edison was awarded a patent for a commercially successful lightbulb in 1879, there are still four hundred candle manufacturers in the United States alone, employing some 7,000 workers with annual sales of more than \$2 billion.(2021年度東京工業大学前期日程)
(電子式計算機が登場しても、算盤の使用がなくなったわけではない。また、トーマス・エジソンが1879年に商業的に成功した電球の特許を取得してから100年以上がたった現在でも、アメリカ合衆国だけでなお約400社のろうそくメーカーが存在し、およそ7,000人を雇用し、年間の売上高は20億ドルを超えている。)
calculateについては、同源の語であるcalculusとセットで押さえておきましょう。
calculusは数学用語で、「微積分学」の意です。微分と積分を分けると、「微分学」はdifferential calculusで、「積分学」はintegral calculusです。
一方、calculusは、医学用語では「結石」という意味です。
微積分と結石はまったく別のものに思えますが、実は語源がつながっています。
calculateやcalculusは、ラテン語で「小石(small pebbles)」を意味するcalculusに由来します。
かつて計算板の上で小石を動かして数を計算していたことから、「計算する」という意味が生まれました。また、体内にできる石のような固まりを指すことから、「結石」という意味でも使われるようになりました。
日本語でも英語でも、学問的な専門用語を見かけると、普段使う言葉ではないため、「なじみがなく、ややこしく、覚えにくい」と感じてしまいます。
しかし、実際には、上記のように語源を調べることで、成り立ちや意味を理解しやすくなる語が多くあります。専門用語は意味や成り立ちが明確であり、かえって日常的な言葉より理解しやすい場合もあるのです。


