例文習得の重要性 | 英進館

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例文習得の重要性

今回は英語学習における重要事項を紹介します。
英語に限りませんが、語学において最も大切なのは例文の習得です。

英語が苦手な人

英語への苦手意識をなかなか払拭できない人は、多くの場合、次の2つに分類されます。

  • (a)単純に、英語学習にかける時間がまったく足りていない。
  • (b)英語学習にそれなりに時間はかけているが、例文をおぼえていない。

(a)に該当する人は、これはもう「かける時間を増やす」しかありません。
語学はスポーツや楽器と同じで、「実技」に取り組む中で少しずつ上達していくものです。時間をかけずに力を伸ばせるような魔法はありません。

一方、「ある程度英語の勉強に時間を割いているのになかなか力が伸びない」という人は、ふつう(b)に該当します。
例文をおぼえないから英語力が安定しないのです。

例文暗唱>文法習得

英語の学習においては、例文の習得だけでなく、文法の理解、語彙力の強化、読解やリスニング・作文の練習など、大切なことが色々あります。

しかし、最も大切なのは例文の習得です。
極端に言えば、「文法は分かっているが例文を習得していない」という場合と、「文法は分かっていないが例文は習得している」という場合では、後者のほうが圧倒的に英語力があります。
英語学習では、何はさておいても例文暗唱だと考えましょう。

文法を理解しつつ、例文・用例をまるごとおぼえる。語学ではこれが一番大切です。

日本語での例

例文習得の重要性を理解するために、日本語で例を考えてみましょう。

たとえば「紙を切る」と「服を着る」。
動詞はどちらも「きる」です。ですが、「切る」と「着る」は、終止形は同じ「きる」でも、活用が違いますね。
たとえば、紙は「切ってください」ですが、服は「着てください」となります。

これを文法的に説明すると次のようになります。

  • 「てください」に接続するためには、動詞を連用形にしなければならない。
  • 「切る」は五段活用の動詞。連用形は「切り」。したがって「切りてください」となるが、音便によって「切ってください」となる。
  • 「着る」は上一段活用の動詞。連用形は「着」。したがって「着てください」となる。

ちょっと考えてみれば分かりますが、上記のように、活用がどうの音便がどうのと文法を考えながら日本語を書いたりしゃべったりしている日本人はいませんね。
日本語を話せる人でも、「活用がこうで音便がこうだからこうなる」などと文法的に説明するのは無理だという人のほうが多いのではないでしょうか。
つまり、私たちは文法が分かっているからではなく、「紙を切ってください」「服を着てください」といった言い方が頭に入っているからこそ、瞬時にそう言葉が出せるのです。
英語もこれとまったく同じです。

もちろん英語は私たちにとって外国語ですから、ある程度は文法的に解析できるようにならなければいけません。しかし、ただ文法が分かっているだけでは英語は使えないのです。
いくら文法が分かっていても、豊富な用例を習得しておかない限り、スムーズにコミュニケーションできるほど英語を使えるようにはなりません。
会話や作文でスムーズに言葉が出てくるようになるためには、「紙を切ってください」「服を着てください」といった用例をやまほど頭に入れておくことが不可欠です。

逆に、仮に文法の理解が多少あやふやであったとしても、例文や用例がきちんと頭に入っていれば、それで英語はきちんと使えるようになるのです。

例文暗唱がカギを握る

中高一貫部の英語教材は、英作文がハードルです。
英進館の英語が「厳しい・難しい」と思っている人は、これはもうほとんどが英作文のせいだと考えてよいでしょう。毎週の英作文問題が多くの生徒に多大なるストレスを与えており、逆にもし教材の英作文問題を減らすかなくすかすれば、たいていの生徒は「英語はそんなに難しくないな」と思えるはずです。

実際、作文をなくせば残りは単語・空所補充・記号選択といった問題ばかりになりますから、教材が相当簡単になって取り組みやすくなるのは間違いありません。
しかし、難関大を目指すのであれば、中学のうちに基本的な例文を暗唱し、そうした例文を応用して作文に取り組むという学習が不可欠です。
英作文問題は「つらい」かもしれませんが、ここは乗り越えなければいけないハードルなのです。

でも、ふだんから例文の暗唱に取り組んでいれば、実はそこまで高いハードルではありません。作文が苦手な人は、まずは例文の習得に取り組みましょう。
最近は「読む」「書く」だけでなく「聴く」「話す」まで含めた4技能が重要であると叫ばれていますが、基本的な作文を書くことができないようでは、スピーキングなど夢のまた夢です。英語を使いこなすには、例文の習得と作文練習が絶対に必要なのです。

英語で苦労している人は、例文の習得にもっと時間をかけましょう。

基本例文がすらすら言えるようになっていれば、「この文法問題はおぼえた例文と同じポイントじゃないか」「この作文はおぼえた例文をちょっと変えるだけで書けるじゃないか」と思えるようになり、英語はどんどん楽になっていきます。
結果として成績が急上昇するのは間違いありませんし、将来必ずや英語を使いこなせるようになるでしょう。

上位を分けるのは英作文

大学入試で出題される英作文問題は和文英訳と条件英作文に分かれますが、特に和文英訳はほぼ難関大学でしか出題されない問題形式です。
これは高校入試でも同じで、和文英訳は難関高校でしか出題されません。県立高入試や、そこまで難関ではない私立高の入試では、和文英訳はまず出題されないのです。

このことは、裏を返せば、「和文英訳は上位の一部の生徒しかできない」ということです。
大半の生徒は作文がさっぱりできないので、難関以外の入試で和文英訳を出題しても入試問題として機能しないのです。

逆に言えば、上位を目指すなら、作文のハードルを乗り越えることが必須であるということです。

難関大学の英作文

以下は、今年度、2023年入試の難関大の和文英訳問題です。

  • 【東京大学】

    さらにもう少し掘り下げてみると、日本の近代化がヨーロッパの影響を受けながら辿ってきた道筋を考えるには、そのヨーロッパのことをもっと知らなければならない、といったことも感じていたのだった。

  • 【京都大学】

    人間、損得勘定で動くとろくなことがない。あとで見返りがあるだろうと便宜を図っても、恩恵を受けた方はコロッと忘れているものだ。その一方で、善意で助けた相手がずっと感謝していて、こちらが本当に困ったときに恩に報いてくれることもある。「情けは人のためならず」というが、まさに人の世の真理を突いた言葉である。

いずれも相当骨の折れる問題であり、生半可な英語力では太刀打ちできないということが分かるでしょう。

こうした問題に対応できるようになるためには、低学年のうちから例文の習得と作文練習にしっかり取り組んでいかなければいけません。

英語はまずは例文習得です!

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