ファクシミリ
ファクスは電子メールやSNSに押されて徐々に使われなくなってきていますが、行政などの分野では今でも現役です。
ファクスはファクシミリの略ですが、日本語でも英語でも、ファクス(fax)という略語で定着していますので、ファクシミリという語の綴りはあまり見かけないかもしれません。
さてそれでは、「ファクシミリ」という語を英語で綴ることはできるでしょうか。
答えはfacsimileです。強勢は第2音節に置かれます。
ちょっと綴りが面倒な語ですが、こうした単語は、「分解して理解する」という習慣があれば、ぐっとおぼえやすくなります。
facsimileは、facとsimileに分けましょう。
facの部分は、ラテン語のfacioという単語に由来し、これはmakeやdoといった意味を持っています。
factory「作る場所」→「工場」と関連させて考えれば、facの部分にmakeの意があることはすぐに納得できるでしょう。
simileの部分は、ラテン語のsimilisという単語に由来し、こちらはlike「似ている」の意です。
similar「似ている、類似した」とセットで考えればよいでしょう。他にも、simulate「まねる、シミュレートする」、simile「直喩」、simultaneous「似た時の」→「同時に起こる」などが同源の語です。
音楽に詳しい人なら、楽譜にsimile(シーミレ)という指示があるのを見たことがあるかもしれません。これも「同様に」という意味です。
このようにfacとsimileに分けて考えれば、facsimile→「似せて作る」→「ファクシミリ」という成り立ちが理解できますし、綴りもおぼえやすくなります。
語彙の習得の際にはぜひこうした考え方を実践していきましょう。