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中高一貫部 英語コラム

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barber

barberは「理髪師、理容師」という意味ですが、語源的には「髪」ではなく、「あごひげ(beard)をそる人」という意味です。barberとbeardは綴りが似ていますね。
英語では、ヒゲはヒゲでも、beard「あごひげ」、mustache「口ひげ」、whisker「ほおひげ」というように、箇所によって別の単語が用意されているのでした。
ということで、今回はbeardに関連した語を紹介します。

世界史で出てくる神聖ローマ皇帝のフリードリヒ1世(在位1152--1190)は、赤いヒゲで有名だったため、赤髭王(バルバロッサ、Barbarossa)と呼ばれました。Barbarossaとはイタリア語で「赤ひげ」の意です。
スタジオジブリ作品の「紅の豚」の主人公は、ポルコ・ロッソ(Porco Rosso)です。イタリア語でporcoは「豚」、rossoやrossaは「赤」の意です。それぞれ英語のpork「豚肉」、rose「薔薇」とつなっているので分かりやすいでしょう。「ロゼワイン」も同様です。rossoだったりrossaだったりするのは、イタリア語の形容詞が性によって語尾変化するためです。「ブラヴォー(bravo)」が女性相手だと「ブラーヴァ(brava)」になるのと同じです。
日本でも翻訳されて刊行されているフランスの絵本に、「バーバパパ」というシリーズがあります。Barbapapaというキャラクタの名前はフランス語由来で、もともとは「パパのひげ」という意味です。また、そこから転じて「綿菓子」の意味にもなります。綿菓子は、パパの白くてもじゃもじゃのヒゲに似ているということでしょう。確かに、バーバパパというキャラクタは、パパであると同時に綿菓子的な外見をしています。
ちなみに日本には「ビアード・パパ」という名前のシュークリームのお店があります。バーバパパとビアード・パパは、成り立ちがよく似ています。
シャルル・ペローの童話に「青ひげ」という物語がありますが、これはフランス語でLa Barbe Bleueです。bleueが英語のblueとつながっているということはすぐに分かるでしょう。
カリブ海にバルバドス(Barbados)という国がありますが、この国の名前も、「ヒゲ」の意のポルトガル語に由来しています。

今回は若干英語の話から外れているかもしれませんが、ともあれ、こんな感じで、英語に限らず自分が知っている言葉がほかの言葉とつながっていくようになると、語学はどんどんおもしろくなってくるはずです。

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