2024 鹿児島県公立高校の入試選抜方法
メニュー

県別の高校入試情報

背景

高校入試情報 / 鹿児島県の公立高校

2024 鹿児島県公立高校の入試選抜方法

鹿児島県公立高校の入試選抜方法

■公立高校推薦入試選抜方法

1.鹿児島県公立高校推薦入試の現状
 推薦入試は、各中学より学校長の推薦を受けた者に対して、一般入試のような学力検査での選抜ではなく、中学3年間の学習や活動状況、面接、作文などを総合して評価する制度です。部活動や生徒会活動など学力検査でははかれない中学時代の取り組みを積極的に評価します。推薦入試は、普通科一般を含む全ての県立高校で実施されています。推薦の募集定員も、普通科で定員の10%以内、その他の総合学科や専門学科では30%以内で、各高校それぞれの特色に応じて設定することになっており、普通科は10%、その他の学科はおおむね20~30%で設定している学校が多いようです。例外的に松陽高音楽科は定員の50%、美術科は定員の75%、鹿児島南高体育科は定員の80%に設定しています。
 一つの中学校から同じ高校に推薦される生徒は、事前に担任の先生に申し出ておく必要があります。まれに学校側から話をいただくこともありますが、基本的には自己推薦となります。その後、担任の教師が内申点・日頃の学校の生活態度・課外活動等を考慮して推薦し、最終的に中学校全体で決定されます。学力検査が免除されるので希望する生徒が多く、かなり競争率の高い困難な試験になっています。

令和5年度 鹿児島県公立高校推薦入試日程
県内「学区外許可申請」および
「学区指定申請」の市町村教委締切
令和4年12月8日(木)
入学願書提出期間 令和5年1月20日(金)~1月26日(木)正午まで
面接・作文等 令和5年2月3日(金)
合格内定通知 令和5年2月9日(木)
合格者発表 令和5年3月15日(水)

2.推薦入試の選考方法と内容
 【選考方法】面接・作文・実技試験などの結果と、中学校から提出される調査書や推薦書などの書類とを総合して選考されます。内申点が高くないと推薦入試での合格は難しくなります。
 【試験内容】面接・作文・実技で実施

◆面接◆
志願者全員に対して実施される。
形式には、個人面接とグループ面接がある。時間は5~10分程度。
・個人面接:受験生1人に対し、数名の面接官で面接する方法。
・グループ面接:受験生を何人か(3~6人程度)のグループに分け、全員に同じ質問をしたり、一つのテーマに絞り意見を述べさせたりする方法。

◆作文◆
一部の学科やコースで実施。各学校とも、字数は600字~800字。時間が45~60分。同じ学校でも、学科・コースによってテーマが異なる場合もある。作文では、思考力・独創性・人柄・意欲など、受験者の人物全体が見られるとともに、国語力も見られている。どんなテーマに対してでも、自分の意見を持ち、それを表現する力が必要である。

◆実技◆
一部の学科やコースで実施。過去に実施された内容には以下のようなものがある。
・英語科コース:英語のリスニング
・体育コース:50m走や走り幅跳びハンドボール投げ等基礎実技や専門種目
・美術科コース:デッサン、水彩画
・総合学科:自己表現
・服飾デザイン:ミシン縫い、手縫い、アイロンがけ

3.面接での質問について
・志望動機:その学校を選んだ理由。自分の言葉で伝えるのがポイント。
・将来の希望:相手がイメージしやすいようにできるだけ具体的に。理由も添えて。
・高校での豊富:勉強・クラブ活動・文化祭などの学校行事など具体的に。
・部活動:部活動名・ポジションや役割など活動を通してどんなことを学んだかを述べよう。
・その他:最近のニュースで最も印象に残ったこと。趣味。特技。長所と短所について。中学生活で最も印象に残ったことなど。

4.過去の作文・実技などの試験のテーマ(課題例)

高校名 課題(テーマ) 字数 時間
鶴丸
(R5・4)
Ⅰ.サスティナビリティ(持続可能性)についての文章を読んで
①課題文章の要約をしなさい。
②サスティナブルな社会(持続可能な社会)の実現に向けて
あなたの考えを書きなさい。
①100字
②400字
50分
Ⅱ.複合問題
・世界の難民・移民について答える。
・日本の屋根の仕組みについて、作図をする。
・エネルギー交換効率について答える。
50分
Ⅰ.リモート会議のシステムについての文章を読んで、
①筆者が考えるリモート会議の問題点を書きなさい。
②会議をする(集団における対話)上で、
合意で必要な(大切な)ことを本文をふまえて書きなさい。
①100字
②400字
50分
Ⅱ.複合問題
・顔真卿の書と明朝体をみて、共通点と相違点を1点ずつ書く。
・GDPの計算を行い、算出すること。
・英文を読んで、ヒトデの生態について答える。
50分
甲南
(R5年度)
・国語:不調・悲観的の対義語、課題の文章にタイトルをつける課題。
・数学:図形(五角形)の対角線に関する問題、格子点に関する問題
・英語:英文読解、人生で最高の経験を英作文(30字~35字)を書く。
50分
鹿児島中央
(R5・4)
・AIと人間が協調し発展する社会をつくるために、あなたが身につけたい力は何か。
また、どのように取り組むか具体的に書きなさい。
※「横書き」のレポート形式(マスあり)
320~400字 60分
・エネルギーの消費について、無駄に使用されている場面はどこだと考えられるか、
また、どのような工夫をして、その無駄な消費を抑えることができると考えられるか、
書きなさい。
320~400字 60分
玉龍
(R4年度)
・成人年齢が18歳以上に引き下げられ、あなたが考える「大人」とはどのような人か、
また、高校ではどのようなことを頑張りたいか書きなさい。
600字 50分
武岡台
(R5・2)
・「世界と自分がつながる」と感じると思う時はどんなときか事例をあげて答えなさい。
また、それを踏まえて高校生活で学びたいことを400字以内で書きなさい。
400字 50分
・漢字一文字を選び、選んだ理由と高校生活に対する思いを書きなさい。 400字 50分
鹿児島南
(H30・29)
「私の夢」を普段から心がけていることから書きなさい。 800字 50分
「つながり」という言葉を使い、自分の経験について書きなさい。 800字 50分
鹿児島工業
(R3年度)
鹿児島工業高校で充実した生活を送るために取り組みたいこと。 500~600字 40分

 

面接 質問 例
高校名 推薦
種別
面接テーマ
鶴丸 全般 あなたの人生(野球・英語・生徒会など)を漢字1文字で表すと何ですか。
横にある用紙に記入し、見せながら説明してください。
部活(野球)
英語
あなたが鶴丸高校に一番貢献した人物として選ばれた場合、
あなたはどのようなことで選ばれたか、想像して答えてください。
生徒会 生徒会でリモートを使う時に留意したこと。
生徒会活動を通して学んだことを生徒会以外のどんなところで活かしたか。
甲南 全般 最近、ニュースなどを通して関心を持っていることは何ですか、
また、その理由を答えなさい。※毎年聞かれている内容です。
鹿児島
中央
全般 創立60周年を迎える本校において、PRするためにあなたならどう行動しますか。
全般
(生徒会)
本校の生徒会活動、SSHについて知っていることはありますか。
また、その生徒会活動にどう取り組んでいきたいですか。
スポーツ 新型コロナウィルスで行事や部活動が制限され、中止や延期となっているなかで、
どのような工夫が必要と考えられるか。
武岡台 書道 書道をやっていて、気分がのらないときなどに気をつけていることは何ですか。

■一般入試選抜方法…学力検査と調査書の2本立て

選抜方法は、「調査書」の「学習の記録」の換算点と、国語・理科・英語・社会・数学の5科目について行う「学力検査」の成績との相関、および、「調査書」の「総合的な学習の時間の記録」・「行動の記録」・「出欠の記録」・「総合所見及び指導上参考となる諸事項」等を総合して行います。
●「調査書」の「学習の記録」 第3学年の記録を点数に換算(450点満点)
・「学力検査」を行う5教科…………………各10点×5=50点
・「学力検査」を行わない必須の4教科……各100点×4=400点
●「学力検査/国・理・英・社・数」 ……………各90点×5=450点満点(時間は各50分)
「調査書」の「学習の記録」とは、いわゆる「通知表」を元に作成されます。各中学校は高校に対して調査書のもととなる指導要録の評定を10段階評価(絶対評価)になおしたものを提出することになります。「総合所見及び指導上参考となる諸事項」には、中学校担任所見が記載されることになりますので極端な問題行動などあると大きな減点要素になる恐れがあります。とはいえ、学力検査と調査書を総合して選抜する方法は、今までの入試結果をみると、得点開示も実施されており、生徒たちから集約したデータを比べてみた場合、上位進学校ではほとんど有名無実であり、定員枠の大半が「学力検査」重視で決定されていると考えられます。

令和5年度 鹿児島県公立高校一般入試日程
県内「学区外許可申請」および
「学区指定申請」の市町村教委締切
令和4年12月8日(木)
入学願書提出期間 令和5年2月7日(火)~2月13日(月)正午
出願倍率公表(教育委員会HPより) 令和5年2月14日(火)
出願変更期間 令和5年2月15日(水)~2月21日(火)正午
最終倍率公表(教育委員会HPより) 令和5年2月22日(水)
学力検査 令和5年3月2日(木) 国語・理科・英語
令和5年3月3日(金) 社会・数学(面接)
合格者発表 令和5年3月15日(水)

※令和6年度は3月5日(火)、6日(水)に一般入試が行われ、合格者発表は3月13日(水)です。
(注)「面接」を実施する学校および学科では、実施学科の志願者全員を対象に、2日目の「学力検査」終了後に面接を実施します。

◎入学出願について
出 願】「入学願書」の提出は、1人1校1学科に限ります。ただし、学科併願による募集を行う高校については、複数の学科に出願できます。
     ※鹿児島女子高校への出願をされる際は、学科併願に制限がありますので、ご注意ください。
出願変更】出願変更は、1人につき1回認められています。

■一般入試問題の難易度について

―令和5年度の5教科合計の平均点は247.1点(各90点×5=450点満点)―
毎年、鹿児島県教育委員会が公立高校の全受検者の得点を集計し、全受検者の平均点を発表しています。詳細については、入試結果総評に平均点推移を記載しておりますので、ご参照ください。

第二次入学者選抜方法・・・面接・作文と調査書等で決定

「第一次入学者選抜」の合格者が募集定員に満たない学科(開陽高は除く)において実施する入試で、公立高校で学びたい意思を持つ生徒に再度受検の機会を提供するものです。再度の学力検査は行わず、「調査書」の記録、志願者全員に行う「面接」「作文」および第一次入学者選抜における「学力検査」の結果等を総合して合格者を決定します。実施学科と募集枠については、「第一次入学者選抜」の合格者発表当日に発表します。出願できる者は、鹿児島県の公立高校を受検し合格しなかった者(ただし、同一校の同一学科には出願できない。また、私立高校に合格し入学手続きをした者は除く)および鹿児島県公立高校の第一次入学者選抜に出願したが「学力検査」を受検できなかった者とします。

令和5年度 鹿児島県第二次入学者選抜
入学願書提出期間 令和5年3月20日(月)~3月22日(水)正午まで
面接等実施 令和5年3月23日(木)
合格者発表 令和5年3月24日(金)

※令和6年度は3月21日(木)に面接・作文等が実施されます。合格者発表は3月22日(金)です。