高校入試情報 / 鹿児島県の公立高校
2023 鹿児島県公立入試結果総評
2023年度入試結果総評
令和5年度の鹿児島県公立高校最終出願者数は、全日制と定時制の学力検査定員11172人(推薦、帰国子女枠除く)に対し、9,059人が出願しました。平均倍率は0.81倍で、昨年度の0.82倍よりわずかに下降し、13年連続で定員を割り込みました。募集定員は昨年7人増やし、今年は84人減らしての計11,844人となり、県全体で見ると少子化の影響が大きいのが現状です。学区別に見ると鹿児島学区が0.99倍、7学区すべて1倍を割っており、鹿児島学区を含み低倍率となっています。
しかし、鹿児島学区の高校別でみると、鶴丸高校1.24倍(前年1.45倍)、甲南高校1.48倍(前年1.33倍)、鹿児島中央高校1.39倍(前年1.44倍)と、トップ3校では甲南高校が昨年から倍率が上昇し、例年通り、甲南高校・鹿児島中央高校も高い倍率となりました。
【学区別 倍率】 | |||||||||||||||
学区 | 鹿児島 | 南薩 | 北薩 | 姶良・伊佐 | 大隅 | 熊毛 | 大島 | 県全体 | |||||||
倍率 | 0.99 | 0.61 | 0.72 | 0.84 | 0.75 | 0.6 | 0.6 | 0.81 | |||||||
【主な公立高校(学科) 出願者数と倍率の推移】
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2020年度 令和2年度 |
2021年度 令和3年度 |
2022年度 令和4年度 |
2023年度 令和5年度 |
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学校名 | 学科 コース |
一般 定員 |
出願 者数 |
倍率 | 一般 定員 |
出願 者数 |
倍率 | 一般 定員 |
出願 者数 |
倍率 | 一般 定員 |
出願 者数 |
倍率 | ||
鶴丸 | 普通 | 297 | 398 | 1.34 | 298 | 367 | 1.23 | 298 | 431 | 1.45 | 301 | 372 | 1.24 | ||
甲南 | 普通 | 294 | 372 | 1.27 | 292 | 432 | 1.48 | 289 | 385 | 1.33 | 288 | 426 | 1.48 | ||
鹿児島中央 | 普通 | 289 | 443 | 1.53 | 299 | 438 | 1.46 | 290 | 418 | 1.44 | 290 | 403 | 1.39 | ||
武岡台 | 普通 | 232 | 260 | 1.12 | 227 | 303 | 1.33 | 231 | 308 | 1.33 | 218 | 274 | 1.26 | ||
情報科学 | 69 | 91 | 1.32 | 78 | 86 | 1.1 | 75 | 111 | 1.48 | 78 | 100 | 1.28 | |||
松陽 | 普通 | 218 | 234 | 1.07 | 221 | 202 | 0.91 | 213 | 253 | 1.19 | 209 | 238 | 1.14 | ||
鹿児島南 | 普通 | 149 | 179 | 1.2 | 150 | 184 | 1.23 | 150 | 178 | 1.19 | 147 | 164 | 1.12 | ||
商業 | 66 | 89 | 1.35 | 71 | 83 | 1.17 | 71 | 106 | 1.49 | 67 | 71 | 1.06 | |||
情報処理 | 34 | 38 | 1.12 | 37 | 50 | 1.35 | 33 | 45 | 1.36 | 36 | 45 | 1.25 | |||
鹿児島玉龍 | 普通 | 111 | 163 | 1.47 | 108 | 158 | 1.46 | 113 | 154 | 1.36 | 110 | 162 | 1.47 | ||
※一般定員は、募集定員から推薦入試の合格者数をひいた実質の定員数をあらわします。 | |||||||||||||||
上記の倍率の推移にみられるように、鹿児島トップ3高(鶴丸・甲南・中央)を中心とする主な公立高校普通科の実際の倍率は、他県の公立高と比べても高く、鹿児島県下の学区別倍率と大きく異なり、鹿児島地区の公立高校普通科は狭き門といえます。この高倍率を認識して、公立高校入試に対し、早いうちから対策をうっておくことが大切です。
毎年、鹿児島県教育委員会が公立高校の全受検者の得点を集計し、全受検者の平均点を発表しています。各教科90点満点で、中学履修単元だけでなく小学レベルの学力で得点できる「目安点」が各教科18点ずつ総得点450点中の90点分含まれています。過去の全受検者の平均点をまとめたものが、下記の表です。
学習指導要領の改訂に伴い入試問題の難易度は大きく変化してきました。しばらく難化が進んできましたが、令和2年以降は難易度が下がり平均点が上昇してきました。
鹿児島県 公立高校入試 平均点推移(各90点、計450点満点) | ||||||||||||
H26 | H27 | H28 | H29 | H30 | H31 | R2 | R3 | R4 | R5 | |||
国語 | 42.1 | 45.9 | 47.3 | 50.5 | 49.1 | 44.7 | 55.1 | 50.4 | 57.8 | 51.1 | ||
数学 | 38.9 | 36.6 | 41.4 | 40.7 | 45.2 | 38.2 | 42.3 | 47.3 | 39 | 47 | ||
社会 | 53.9 | 47.7 | 49.3 | 51.3 | 49.6 | 45.8 | 48.4 | 51.2 | 53.1 | 51.5 | ||
理科 | 44.5 | 44.5 | 49.8 | 43.6 | 50.6 | 46.5 | 43 | 47.5 | 53.9 | 50.1 | ||
英語 | 53.6 | 54.6 | 50.9 | 52.4 | 44 | 46.2 | 47.5 | 52.1 | 39.6 | 47.4 | ||
合計 | 233 | 229.3 | 238.7 | 238.4 | 238.6 | 221.4 | 236.2 | 248.5 | 243.5 | 247.1 | ||
下の表のように以前に比べると平均点が高くなる中で、鹿児島県下の全受験生の総得点100点未満の割合(3.30%)が増加しており成績の2極化が進んでいるとみることもできます。さらに、入試の平均点が高くなることはトップ3校を中心にちょっとしたミスが合否を分けることにつながります。また、今年は教科間での平均点の開きが小さくなっていましたが翌年には大きな揺り戻しが起きることも多く、数学・英語に苦手科目を抱えたままでは今後不利になる可能性があり、苦手科目の克服も合否のカギとなりそうです。
また、下の資料にも見られるように、「論述問題」「記述問題」の割合も高くなっており、「会話型の問題」「文章記述問題」「公式の証明」などに対応するため、「問題文や資料を読み取る⇒考える⇒自分の言葉で表現する」「計算過程を文章で説明する」などの練習が必要不可欠です。
中3生は以上のことを踏まえて、鹿児島県入試の過去問だけではなく、他県の公立高入試問題や入試直前期に入試本番と同様の形式の模擬試験で練習を多く積んでおくことが必要です。
【鹿児島県 公立高校入試 受験者数(400点以上・360点以上・100点未満の割合)推移】 | |||||||
年度 | 平均点 | 受験者数 | 400点以上 の割合 |
360点以上 の割合 |
100点未満 の割合 |
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R5 | 247.1 | 8735名 | 1.12% | 9.97% | 3.30% | ||
R4 | 243.5 | 8873名 | 0.97% | 8.50% | 2.95% | ||
R3 | 248.5 | 8798名 | 1.39% | 11.10% | 4.20% | ||
R2 | 236.2 | 9194名 | 0.38% | 6.19% | 3.68% | ||
H31 | 221.4 | 9774名 | 0.04% | 3.56% | 5.64% | ||
【鹿児島県 公立高校入試 記述問題の割合】(令和5年度 90点満点中) | |||||||
国語 | 数学 | 社会 | 理科 | 英語 | |||
記述・作図 配点 |
35点 | 14点 | 34点 | 19点 | 38点 | ||
割合 | 約39% | 約16% | 約38% | 約21% | 約42% | ||