高校入試情報 / 熊本県の公立高校
2025年度入試 熊本県公立高校の入試選抜方法
熊本県公立高校の入試選抜方法
■入試制度改革の概要
受検者の多様な能力・適性や意欲・関心、努力の成果等について優れた面を積極的に評価し、受検者の受験機会の拡大を図るために、平成17年度入試より前期・後期選抜制が導入されました。37年ぶりの大幅な制度改革で、前期選抜における競争率や学校独自検査問題、後期選抜における数学・英語の選択問題などに注目が集まりました。しかし、平成24年度入試からコースを除く普通科については、前期(特色)選抜を実施しないことが決まり、普通科の学校では受験が1回のみとなりました。また、平成18年度入試より、少子化に伴う県立高校の通学区域の見直し等の再編整備計画が進められており、平成22年度の入試から、以下の内容で実施されています。
① 8学区から3学区に再編する。
- 県北学区(荒尾市・玉名市・山鹿市・菊池市・阿蘇市 等)
- 県央学区(熊本市・合志市・宇土市・宇城市・菊陽町・益城町・御船町・甲佐町 等)
- 県南学区(八代市・水俣市・天草市・上天草市・人吉市 等)
② 学区外枠もコースを除く普通科については、平成22年度入学者選抜より現行の6.5%から13%へ拡大する。
(※通学区域の線引きに伴う不公平感を緩和)
前期・後期選抜制における概要は以下の内容です。
① 前期(特色)選抜の募集人員を、募集定員の70%以内の範囲で当該高等学校長が定める。ただし、熊本市に所在する高等学校においては、
募集定員の50%以内の範囲で当該高等学校長が定める。
② 前期(特色)選抜を実施する高等学校は、重視する観点を定め、その観点に沿って、学校独自検査(面接、小論文、実技検査等)の中から
選抜方法を定める。(独自検査については、複数の組み合わせもある。)
③ 前期(特色)選抜試験で合格した場合は、必ず入学することが条件。
④ 絶対評価への不平等感を是正する目的で、後期選抜において調査書の評定を学力検査の得点を用いて補正する。
⑤ 後期選抜において、第1選考後の選考基準は各高校で定める。(熊本、第二、第一などは、概ね評定よりも学力検査重視)
なお、令和6年度後期選抜より、熊本市立千原台高校は、熊本市教育委員会が作成したマークシート形式の入試を導入しています。令和7年度後期選抜より、熊本市立必由館高校も熊本市教育委員会が作成したマークシート形式の入試を導入する予定です。
令和6年度の後期選抜は、熊本高校1.47倍、済々黌高校1.65倍、熊本第二高校(普通)1.59倍、熊本第一高校(英語コース除く普通)1.88倍、熊本北高校(普通)1.45倍、必由館高校(文理総合)2.53倍と高倍率をキープしています。早い段階から、しっかりと目標を定めて準備していく必要があります。
■前期(特色)選抜制について
前期(特色)選抜では、特別な出願資格はありませんが、合格した場合は必ず入学することが条件となります。平成24年度からコースを除く普通科の前期入試が廃止されたことと、学力検査が実施されなくなったことが大きな変更点です。後期選抜のように共通の問題ではなく、各高等学校が重視する観点にそって、面接、小論文、実技検査、実験、自己表現、総合的な学習の時間の成果に発表に関するもの等、各高等学校長が定めた選抜方法によって選抜されます。令和4年度入試から募集人員は定員の70%以内(熊本市内は50%以内)の範囲で当該高等学校長が定めることになっています。前期(特色)選抜で各学校が重視する観点、募集人員、検査内容、具体的な選抜方法等は、後日熊本県教育委員会から発表されます。
■後期選抜制について
後期選抜では、入学者の選抜は調査書の記録及び学力検査の内容を総合して評価されます。募集定員は前期(特色)選抜の合格内定者数を差し引いた数になります。
選抜方法の手順は次の通りです。
(1)5教科の学力検査の得点(各教科50点満点/検査時間は各50分)を合計し、合計点の高い順に順位をつけます。
(2)調査書の評定については、次の①~③の手順で総計点を算出し、総計点の高い順に順位をつけます。
① 学力検査を行う5教科については、教科ごとに、第1学年及び第2学年の評定に、第3学年の評定を2倍したものを加えて合計し、
さらに、その合計点を、学力検査の得点を用いて補正します。
② 学力検査を行わない4教科については、教科ごとに、第1学年及び第2学年の評定に、第3学年の評定を2倍したものを加えて
合計します。
③ ①で補正した5教科の合計点に、②の4教科の合計点を加えて総計点を算出します。
(3)受験者の中で、(1)の学力検査の順位、(2)の評定の順位が、ともに募集人員以内にある者を対象に、第1選考として、
その中から合格者を決定します。
(4)第1選考での合格者数が募集人員に満たない場合、各高等学校長は、あらかじめ定めた選考基準に従って、
第1選考の合格者以外の中から残りの合格者を決定します。
■補正方法
英進太郎君の場合 学力検査の得点合計 169点 補正後の評定の合計 137点
◆後期選抜 数学・英語選択問題の学校別一覧(令和6年度)
令和7年度分は検査実施日に発表されます。
数学及び英語の学力検査においては、県教育委員会の作成した選択問題から、各高校が自校の受検者が解答する問題を指定します。市内のほとんどの高校が難易度の高いB問題を選択しています。
◆後期選抜における「第1選考後の選抜基準」(令和6年度)令和7年度分は後日発表されます。
後期選抜の第1選考で合格者数が募集人員に満たない場合に、残りの合格者を決定する際の基準として、
各高等学校があらかじめ定めるものです。
◆後輩達への激励記◆
「凡人でも戦える」
熊本高校1年 Fさん (熊本高校、熊本学園大学付属高校 合格) (「巣立ち」より一部抜粋)
努力は報われないもの。そう思っておかないとなかなか辛い時がある。受験時期などその筆頭だ。このままでは本当に合格できるのかと、莫大な不安を抱えている人もいるだろう。私もそうだった。だが、江津校の先生方とTSの仲間たちはそんな私にずっと寄り添ってくれた。
私は中3の夏に入塾した。入塾当初の偏差値は50前後だったが、毎回の授業や宿題を必死に取り組んでいるうちにいつの間にかTSに。しかしこれからが正念場だった。国語はもともと得意だったし、英語も順調に伸びていたのだが、他の三教科がてんで駄目。数学と理科はその時の調子に左右されて安定しないし、社会はずっと一定で何をしても伸びず、模試の結果もD・E判定が多かった。悔しくて涙が溢れることもあったが、先生方は私と一緒に真剣に悩んでくれて、友達も前を向けるように励ましてくれた。そのおかげで理社はじわじわと伸びてきて、数学に至っては常に関数が全問正解できるようになり、大きな自信につながった。私が合格できたのは、間違いなくそうやって最後まで支えてくれた先生方と友達のおかげだと思う。
(中略)
江津先生方との邂逅で、本当に人生が変わった。また、共に高め合ってきたTSの仲間たちと、私のやりたいことをさせてくれたお父さん、いつも長い距離を送り迎えしてくれたお母さん。たった半年の私の受験生活をかけがえのないものとしてくれた大好きな人たちの、最大の敬意と感謝を。
そして、受験生へ。冒頭で努力は報われないと述べたが、報われるまでやるのが努力だと私は思う。今まで頑張ってきた自分を信じられないなら、誰があなたを信じてくれるのだろうか。先生方や友達を頼り自分を信じれば、自ずと結果はついてくる。最後まで駆け抜けろ!