中学入試情報 / 中学校紹介&入試問題分析
【福岡県】久留米大学附設中学校
久留米大学附設中学校
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2023年度 入試データ
試験日 | 合格発表日 | 募集人数 | 志願者数 | 実受験者数 | 合格者数 | |
(男子) | 1月 21日 | 1月 24日 | 160名 | (582名) | 非公表 | 236名 |
(女子) | (297名) | |||||
男女計 | 879名 |
2023年度 科目毎の入試データ
国語 | 算数 | 社会 | 理科 | 合計 | |
試験時間 | 60分 | 60分 | 45分 | 45分 | |
配点 | 150点 | 150点 | 100点 | 100点 | 500点 |
最高点 | 非公表 | 376点 | |||
合格最低点 | 266点 | ||||
合格者平均点 | 79.2点 | 90.4点 | 57.2点 | 66.6点 | 293点 |
受験者平均点 | 67.3点 | 64.3点 | 46.7点 | 55.2点 | 233点 |
学校の特色
- 自主自立の校風のもと、豊かな人間性と高い学力を育むことを目指します。
- 中学のカリキュラムの殆どを中2までに終了します。
- 通常授業以外に、各先生の裁量で補習授業が行われます。
- 6ヶ年一貫教育の長所を活かし、中学では「卒業論文・制作」に取り組みます。
学校情報
- 入学時納入金 ※入学までに納入しなければならない費用(入学申込金・施設費・制服代などすべて)の合計
男子 493,129円 女子 499,329円
- 毎月の納入金合計 ※中学1年次に毎月必要になる費用(授業料・教育充実費・施設費・積立金などすべて)の1か月の合計
4月 57,550円
5月~ 52,200円
- 特待制度
なし - 学生寮
1学年の定員:約40名(男子寮のみあり)
入寮時納入金合計:30,000円
毎月の納入金合計:64,400円
高校進学情報
高校からの入学定員:40名
高校1年まで中高一貫クラス
高校2年から高校からの入学者との混合クラス
主な大学の入試推薦枠
慶応義塾大学1名、早稲田大学3名、東京理科大学1名など(2023年度)
2023年度 主な大学の合格実績
国公立大学 | 私立大学 | ||
九州大学 | 45名 | 早稲田大学 | 32名 |
東京大学 | 37名 | 明治大学 | 27名 |
熊本大学 | 13名 | 慶応義塾大学 | 25名 |
京都大学 | 11名 | 中央大学 | 25名 |
佐賀大学 | 7名 | 同志社大学 | 18名 |
長崎大学 | 6名 | 上智大学 | 15名 |
一橋大学 | 5名 | 東京理科大学 | 13名 |
東京工業大学 | 4名 | 久留米大学 | 9名 |
その他大学 | 41名 | その他大学 | 78名 |
合計 | 169名 | 合計 | 242名 |
大学進学情報
- 医学部合格者110名
- 国公立大学合格者185名
- 私立大学合格者236名
傾向・難易度・対策
◆国語◆
【傾向】
全体の構成は、例年どおりの大問四題構成であった。大問一は、昨年同様、「聞き取り問題」が出題された。「勉強に集中するにはどうしたらいいですか?」という小学生の相談に対して、脳科学者の池谷裕二氏が答えている文章が読まれ、文章の中の細かい部分まで聞き取らせる問題が出題された。大問二は例年通り、幅広く語彙力を問う問題であり、大問三が説明的文章、大問四が文学的文章であった。
文章題における記述問題は、大問三では、字数制限のない記述問題が五問中五問、大問四では、七問中三問出題されている。また、字数制限の記述問題については、十字以内が二問、二十字以内が二問出題されており、近年はこの出題傾向が続いている。
大問三は、フリーランスの校正者である牟田都子が、自分の経験を通して、校正にまつわる体験を親しみやすい文章で書いた『文にあたる』であった。
大問四は、児童文学作家の柏葉幸子が描く、日々の暮らしの中に、とつぜん訪れる不思議な出会いや感動を描いた十八話からなる短編小説『18枚のポートレイト』の中から、離婚と死別という違いはあるが、父親のいない二人の少年が、「親父検定」を説明する不思議なおじさんと出会う話から登場人物の心情を把握する問題を中心に出題がなされた。両作品とも今までの採用文献の中ではめずらしい新刊本であり、2022年の作品である。
【難易度】
大問一の聞き取り問題は、四問の聞き取り問題であったが、細部まで問われており、正確に聞き取ることは難しいと思われる。特に「実験内容」を説明しなければならない問二は完答が難しい問題である。次に大問二の漢字・語句・文法の知識を問う問題は、例年通り幅広い範囲で出題されており、本年度は特に、語彙力が乏しいと正解を得るのは困難な問題であった。特に問二は、文法上の違いを問う問題で高校受験レベルの問題であった。
そして、大問三の記述問題は、字数制限のない記述だけ出題されており、簡潔にまとめなければならないので、非常にむずかしい。また、大問四では、字数制限のない記述以外に設問中の説明文の空欄を字数の制限のある記述と文中から言葉を書き抜いて補充する問題が出題されたが、どちらもよく出題される形式で、解くのに時間がかかる問題である。
【対 策】
語彙力・読解力・記述力とも非常に高いレベルが要求されるため、その強化が求められる。精読力と記述力の養成は必須である。文章をしっかり読み込み、問われていることを明確にし、自分の言葉を加えながら解答する訓練を積むことが必要である。また、今年は聞き取り問題が出題されたが、作文と聞き取りの両方の対策が必要である。そして、幅広い語句の知識が求められていること、記述量が多いことをふまえると、語句問題についてしっかりと学習するとともに、文章理解や記述力を伸ばすために、幅広い読書経験や、辞書を使う習慣をつけ語彙力をつけることが必要である。
〇こんな問題がでました
◆算数◆
【傾 向】
今年も,一昨年,昨年に引き続き問題用紙が3枚構成になった。大問数は5題で小問数24問は例年通りであった。コツコツ数え上げる,樹形図に表す問題や,立体図形から必要な面を抜き出し作図し直して解く問題など1問解くのに時間がかかる問題が12問と多く,大問4と大問5の図形問題は9問と若干少なめであった。また大問3では「その場で考える問題」も出題された。「小数で答えなさい」「仮分数で答えなさい」「しゃ線でかきなさい」などの指定表現も複数回使用された。
【難易度】
今年度の合格者平均は90.4点で,昨年度の合格者平均119.4点と比べ大きく下がり,受験者平均も昨年度の89.3点から64.3点と大きく下がったため,難易度は上がった。附設中の入試が特に難しかった時代の平成23~26年の入試のレベルと同等と言える。中でも大問4の立体をななめ前や上から見た図などの平面図形に自分で作図し直して考える問題と,大問5の等間隔にすき間を空けて積み上げた立方体の切断の問題は,非常に難しかった。
【対 策】
計算問題や小問集合の対策として2学期から使用する「計算(下)」を利用して練習することが効果的である。文章題は「ラ・サール攻略本」,平面図形・立体図形は「久留米附設攻略本」を徹底的に反復する。計算・図形の処理能力が上がれば,その場で考える問題にも十分な時間を取ることができる。大問2以降は小4以降で使用する「最難関問題集」のレベルも多く出題されるため,基本問題や練習問題を反復しつつ,応用問題もしっかり考える時間を取った方が良い。
〇こんな問題がでました
◆社会◆
【傾 向】
地理分野は農業と国土に関する問題が中心,歴史分野は正誤問題,公民分野は政治分野中心の傾向がある。今年度は試験時間が5分伸び,難易度の高い論述問題が出題された。
【難易度】
論述問題や,「ア~エから誤っているものを1つ選べ,全て正しい場合はオと答えよ。」という形式の正誤問題が6題出題されていて難易度が高い。一昨年は2題,昨年は4題なので,年々この出題形式が増えているので注意が必要である。今年度は,語句で解答する問題や公民分野の問題は答えやすい問題が多かった。
【対 策】
地理・歴史・公民とも非常に高いレベルが要求されるため,その強化が必要となる。特に,正誤問題が解けるかどうかは合否の大きなポイントとなる。文章中の固有名詞・数詞・対句を確認しながら読むことを日頃から意識しておくこと。加えて,単なる暗記に終始するのではなく,語句の内容や背景等を正確に理解し,説明できるようにしておくことが肝要である。近年,学校の教科書からの出題もあるため教科書中の語句をおさえておくことも重要となる。また,今年は全体の2問目に難易度の高い論述問題があった。試験時間が5分伸びたとはいえ,この問題に時間をかけすぎることなく,時間に気をつけながら解くことが重要である。
〇こんな問題がでました
◆理科◆
【傾 向】
例年通り4分野から各1題の大問4題構成。解答数は62個とやや多いが、平易な設問も多かった。記述問題が1問、グラフ作図が2問。これ以外は、記号や番号選択、ことばで短く答える問題、計算結果を数字で答える問題であった。地学の正誤問題と生物の長文穴埋め問題は、近年形式が統一されている。しかし、過去にはさまざまなスタイルの変遷を経てきているので、対策が画一的にならないように留意する必要がある。
【難易度】
今年度は、かなり思い切って問題難易度をおさえてきた印象があるが、意外にも平均点はあまり伸びていない。受験者平均は55.2点、合格者平均は66.6点と、昨年・一昨年並みである。大問1の地学の正誤問題が、3つの知識がすべて的中しないと点数にならないため受験生にとっては厳しく、また4分野の配点をそろえようとすると、小問数の少ない地学が最も1問あたりの点数が大きくなってしまうあたりが原因か。
【対 策】
今年度は中学受験理科の定番パターン問題が多かった。よって、オリジナルテスト・週テストbc問題・合不合レベルの標準問題も避けては通れない。小6の1学期まで、全分野しっかりこうした基礎固めをする必要がある。ただし、過去には応用度の高い問題も出題されていることから、夏休み以降、応用演習も積んでおきたい。さまざまな問題に触れる中で、基本~標準的な学習事項も繰り返し反復して定着するようにできるとベストである。
〇こんな問題がでました