中学入試情報 / 中学校紹介&入試問題分析
【宮崎県】宮崎大学教育学部附属中学校
宮崎大学教育学部附属中学校
傾向・難易度・対策
◆国語◆
【傾 向】
2024年度の問題構成は、文章問題2題構成であり、文章種別は物語文と説明文であった。また、いずれも設問の後半では「話し合いの様子」から出題され、ただ文章を読むだけでなく、確かな理解力が必要とされる。以前までの大問3題構成のころに比べると、近年は読解問題+状況の把握能力を記述で問う問題の出題が続いており、今年度も50字~60字、70字~90字といった長めの記述問題を空欄の前後を参考に解答していく必要があった。また、漢字・知識分野では漢字の書き取り問題だけでなく、慣用句や敬語の問題など、幅広い分野からの出題が見られた。
【難易度】
大問1の「星新一」の文章は比較的読みやすく、例年よりも取り組みやすかった受験生も多かったと思われるが、大問2の「なべ料理」についての文章は複数の資料が用意され、文章の読解だけでなく、表やグラフを読み取る力が求められたため、難易度は高かったと思われる。ただ、総合すると例年並みの難易度だと考えられるので、落ち着いて臨んだ受験生にとっては大きな衝撃は無かったのではないかと思われる。
【対 策】
宮崎大学教育学部附属中学校においては「過去問」を公にしていないので、対策が取りづらい問題が多い。しかしながら、中学入試に向けて読解問題への取り組みや、知識の習得をしっかりと進めてきた受験生であれば、特別な対策は不要である。また、宮大附属中しか受験しない場合でも、各私立中学のプレテスト等を受験して経験を積んでおきたい。
〇こんな問題が出ました
◆算数◆
【傾 向】
ここ数年の問題数は、大問数は5問、小問数は20問前後という構成で、試験時間が50分となっている。大問1は例年「小問集合」となっており、計算問題が3問、残りは「割合と比」「速さ」「場合の数」「平面図形」「立体図形」などが出題される。大問2~5は毎年さまざまな単元が出題されている。最近の出題単元を並べると、今年度は「立体図形(さいころ)」「和と差」「速さ」「図形の移動」、昨年度は「資料の活用」「速さ(水槽)」「立体図形」「図形の回転移動」となっている。また、会話形式での出題も見られる。特に、今年度は大問2以降の大問4つのうち2つが会話形式での出題となっていた。さらに、記述での解答を求められる問題も出題されていた。
【難易度】
基本的な小学校内容のレベルから、一般的な私立中受験算数レベルの問題まで、幅広い難易度の問題が出題されている。基本的な問題が多い中に応用問題が数問あり、そこでの得点が合格につながっていくと思われる。基本問題は確実に得点すること、そして応用問題は半分以上正解できるくらいの得点力がほしいところである。平均点は非公表ではあるが、合格するためには8割以上の得点が必要であると考えられる。しっかりと受験に向けての準備をしてきた生徒にとっては見慣れた問題が多いと言えるので、ミスをせずに確実に得点をしていく力が求められる。
【対 策】
まずはテキストのすべての単元をしっかりと復習し、確実に得点できるように準備しておくことが大切である。また例年の傾向を考えると,会話形式の問題への対策もしておきたい。日頃から問題を解く際に途中の計算式をきちんと書き、解き方の流れがわかる解答作りを心がけるとよいだろう。さらに、同じような会話形式の入試問題や練習問題を解き、問題に慣れておくことも大切である。家庭学習では、保護者に自分の考えを説明してみたり、保護者の方から「この式はどういう意味なの」と質問を投げかけたりするのも良いと思われる。
〇こんな問題が出ました
◆社会◆
【傾 向】
昨年と同じく試験時間が理科と社会で合わせて40分での実施であった。今年度も,大問1問構成で,「宮崎市政100周年」をテーマとした,地理・歴史・公民分野の総合問題が出題された。基本的な内容の問題と,資料を読み取って答える論述問題という,ほぼ例年通りの形式であったがほとんどが歴史分野からの出題であり,近現代が中心という近年見ない形式であった。
【難易度】
基本的な知識を問う問題が多いが,12題出題中6題が論述問題であった。そのため,時間内に資料から読み取れる内容を,自分の言葉でまとめる練習を積んでいなかった生徒や,社会の知識が曖昧な生徒にとっては,難しく感じたと思われる。
【対 策】
地理分野は,小5の教科書の資料をよく見て,資料・統計・地図などを読み取る練習をしておくことが必須である。歴史分野は,人物の写真や関連事項など,基本的な知識と歴史地図もおさえておこう。もちろん,歴史の流れや重要語句などを自分の言葉で説明できるように練習することも必要である。教科書からの出題が多いので,基礎知識の定着については,3分野とも教科書をしっかり読みこむことが大事である。また新聞やニュースなどをよく見て,身の回りの社会の課題について,自分の考えをまとめておこう。
〇こんな問題が出ました
◆理科◆
【傾 向】
今年度も試験時間は社会・理科合わせて40分だが、実験・観察などを通し、考察させる問題・ページ数も増え、内容の読解が必要となった。2020年から大問数は分野1つから分野2つに増えている。今年の出題単元は「化学分野」と「生物分野」で、毎年単元が交互に出題されているようだ。また、今年度も小問数は11問と例年通り、記述問題は昨年より2問減り3問、作図問題が1問出題された。実験の結果から自分の考え・意見をまとめる思考力を問う問題が多い。
【難易度】
選択肢のある問題は基礎知識の定着を確認する問題である。身近な現象の実験・観察に関する問題である。なぜそうなるのか?その結果が得られる理由など、実験・観察の流れを押えておきたい。2019年度より傾向が大きく変化したため、各単元の基本をしっかり固めて勉強していく事が必要。また、記述問題についても実験の内容・考察など把握しておく必要がある。宮崎県独自の問題が出題されることもあり、昨年度は「鬼の洗濯板」に関する侵食の問題が出題された。
【対 策】
まず語句や記号選択問題は、教科書レベルの正確な基礎知識を問う内容なので、教科書のすみずみまで理解しておくことが必要である。さらに、実験を進める上での注意点、実験結果から得られる考察の領域まで、論述を意識した理解、つまり『なぜ?』を意識して学習する必要がある。記述は年々難しくなることが予想されるので、『九州地区中学入試完全攻略本』等のテキストを使って、特別な試験対策が求められる。
〇こんな問題が出ました