中学入試情報 / 中学校紹介&入試問題分析
【福岡県】福岡教育大学附属中学校
福岡教育大学附属中学校
傾向・難易度・対策
◆国語◆
【傾 向】
2024年度の問題構成は、文章問題2題である。文章種別は説明文と物語文である。ここ数年、全体の問題量は大きく変化はしていないが、熟語の構成が出題されたり、和語の意味を選択する問題が出題されたりと、様々なパターンの出題が見受けられる。また、一昨年より三年連続で、話し合いの様子の読み取り問題が出題された。全体的な出題内容は比較的答え易い問題となっている。
【難易度】
しっかりと対策を重ねてきた受験生には取り組みにくい問題ではなかったと思われる。問題自体はシンプルなものが多く、文章をていねいに読み、設問の意図するところをしっかりと理解できれば、文章中から答えを見つけ出すことができるものがほとんどだった。また、五年連続で、記号選択と文章中からの書き抜き問題ばかりで、記述式の問題が1問も出題されなかった。この点は、受験生にとっては非常に取り組みやすく感じたのではないかと思われる。
【対 策】
福岡教育大学附属中学校の入試問題は、いかにミスをしないかが合否をわけると言える。そのため、文章読解力はもちろん、あらゆる語句知識を確実に身につけておかなければならない。単純な漢字の読み書きはもちろん、類・対義語や熟語の構成、ことわざ・慣用句など幅広く覚えるためにも小テストの学習に日頃からしっかり取り組みたい。文章の内容を正しく理解することが要求されるため、文章を精読する習慣もつけておきたい。
◯こんな問題が出ました
◆算数◆
【傾 向】
問題数は大問6問で全小問数は15問であった。昨年度は全小問数が13問であったが、例年15問である。ただ、他の中学校の問題数は20問~25問であることが多いことと比べると、
1問の重みは大きい。
附属の例年の傾向としては、大問1は小問集合で、計算・割合・グラフ・場合の数・線分図の問題など。大問2は割合の文章題、大問3は平面図形(主に相似、面積)、大問4は規則性、大問5は水そう、大問6は速さのグラフである。ただし、今年は、傾向が一部変わった。大問2が規則性、大問3は平面図形だが、会話文形式で線対象、点対称の問題、大問4は円が図形のまわりを転がる問題で、円の通った面積を求める。大問3の会話文形式、大問4の図形の転がりも、附属ではまず出題されたことのないものであった。
【難易度】
大問3の点対称の問題は、説明の文章を読み解くのは大変だが、答えは選択肢から選べば良かったため、ある程度解きやすかったと思われる。大問4は円の動いたあとの図形の面積を求める問題で、計算量も多く難易度は高かった。附属中の問題は、大問の(1)は解きやすいが、(2)は難しくなる。たとえば、大問6の速さのグラフの問題は、(1)は式1つで答えが出るが、(2)を正解するには、式は、4~6つは必要となる。2人が出会う旅人算の問題は、2人の出発時間が異なるタイプだったので、受験生の苦手とするところではあるが、パターンを解きなれた生徒にとっては、そこまで難しくはない。
【対 策】
合格のためには、大問1の小問集合、規則性の問題、各大問の(1)をしっかりと正解する必要がある。その上で、速さのグラフ、水そうの問題、規則性の問題で解ける問題を多くしたい。今年は傾向が2問ほど変わったが、全体的には、対策のしやすい学校であることは変わらない。英進館生は、小4SA~小6SAクラスの算数テキスト、小6夏期講習からのSAクラス用単元別確認テキストに類似の問題が多く掲載されている。問題数が少なく1問の重みが大きいので、ミスが多い生徒は、真剣にミスを無くす工夫をし続けることが必要。また、上記で紹介したよく出る単元が苦手なままにしないようこだわろう。
〇こんな問題が出ました
◆社会◆
【傾 向】
小問は例年15問程度で、今年度は大問3問構成になっていた。また、記号選択問題が多用されている。どの分野においても、地図・写真・資料・グラフが多用されており,与えられた情報から判断する問題が多い。公民分野はおもに政治分野が出題される。
【難易度】
グラフや表を読み解き選択肢の正誤を判断する問題が非常に多く、人物・語句などの単純な知識を問う出題は少ない。グラフや表は比較的読み取りやすい内容にまとめられているが、資料から読み取る練習が不足していたり,社会の知識が曖昧だったりすると解答は難しい。
【対 策】
地理分野は特に統計資料の読み取りの練習を数多くすること、歴史分野は各時代の人物や史料についての学習や、地図で場所を確認することと、年号暗記で流れを整理すると効果的である。
公民分野は、日本国憲法の内容や政治機関のそれぞれの働きに特に力を入れて学習してほしい。
重要語句・出来事の簡単な説明をノートにまとめていく練習をつんでおこう。
〇こんな問題が出ました
◆理科◆
【傾 向】
2019年度までは大問数が7問であったが,2020年度から大問数が4問に減少。今年も地学・物理・化学・生物の各分野からそれぞれ大問1題ずつ出題されている。全体での小問数は14問。解答方法は,ほぼ記号選択問題で占められている。過去に多かった記述や作図問題は近年少なくなっており,今年は出題されなかった。
【難易度】
例年,難易度にほとんど変化はない。学校の教科書内容を中心とした問題,中学入試理科における標準レベルの問題で占められており,全般的には基礎知識の定着を問われる問題になっている。問題数も決して多くはないので,試験時間に対しても余裕があるはずである。ただし,合格を目指すなら,いかにミスを少なくし高得点をとれるかが勝負である。
【対 策】
学校教科書レベルの正確な知識を問う内容なので,教科書のすみずみまで理解をしておくことが必要である。念のため,過去に出題例のある作図や記述問題への対策として,学校教科書の文章を読み込み,図や写真に注目しておいたほうがよい。また,他の私立中学の入試問題を数多くこなし,標準レベルの問題への対応力を十分に磨いておく。さらに,日ごろからケアレスミスを少なくし正確な解答ができるよう,問題文をよく読み,答案をしっかり見直す習慣づけが必要である。
〇こんな問題が出ました