中学入試情報 / 中学校紹介&入試問題分析
【福岡県】福岡教育大学附属中学校
2025-10-14更新
◆国語◆
【傾 向】
2025年度の問題構成は、文章問題2題である。文章種別は説明文と物語文である。ここ数年、全体の問題量は大きく変化はしていないが、熟語の構成が出題されたり、主語・述語の問題が出題されたりと、様々なパターンの出題が見受けられる。また、四年連続で、話し合いの様子の読み取り問題が出題された。全体的な出題内容は比較的答え易い問題となっている。
【難易度】
しっかりと対策を重ねてきた受験生には取り組みにくい問題ではなかったと思われる。問題自体はシンプルなものが多く、文章をていねいに読み、設問の意図するところをしっかりと理解できれば、文章中から答えを見つけ出すことができるものがほとんどだった。また、六年連続で、記号選択と文章中からの書き抜き問題ばかりで、記述式の問題が1問も出題されなかった。この点は、受験生にとっては非常に取り組みやすく感じたのではないかと思われる。
【対 策】
福岡教育大学附属中学校の入試問題は、いかにミスをしないかが合否をわけると言える。そのため、文章読解力はもちろん、あらゆる語句知識を確実に身につけておかなければならない。単純な漢字の読み書きはもちろん、類・対義語や熟語の構成、ことわざ・慣用句など幅広く覚えるためにも小テストの学習に日頃からしっかり取り組みたい。文章の内容を正しく理解することが要求されるため、文章を精読する習慣もつけておきたい。
◆算数◆
【傾 向】
問題数は昨年同様大問6問で全小問数は15問であった。一昨年度は全小問数が13問であったが、例年15問である。他の中学校の問題数は20問~30問であることが多いことと比べると、1問の重みは大きい。
附属の今年の傾向としては、大問1は小問集合で、計算・割合・場合の数・線分図の問題など。大問2は規則性、大問3は割合(食塩水)の文章題、大問4は平面図形、大問5は立体の求積問題、大問6は速さのグラフである。大問4(2)は円が図形のまわりを転がる問題(円の通った面積を求める)で、附属では昨年に続き2年連続で出題された。
【難易度】
全体的には、難易度はそう高くはないが、大問4の円の動いたあとの図形の面積を求める問題では、計算量も多く難易度は高かった。附属中の問題は、大問の(1)は解きやすいが、(2)は難しくなる。たとえば、大問6の速さのグラフの問題は、(1)は式1つで答えが出るが、(2)を正解するには、相似の利用が求められる。受験生の苦手とするところではあるが、パターンを解きなれた生徒にとっては、そこまで難しくはない。
【対 策】
合格のためには、大問1の小問集合、大問2の規則性の問題、大問3の食塩水の問題、各大問の(1)をしっかりと正解する必要がある。その上で、速さのグラフ、立体の問題、平面図形の問題で解ける問題を多くしたい。全体的には、対策のしやすい学校であることは変わらない。英進館生は、小4SA~小6SAクラスの算数テキスト、小6夏期講習からのSAクラス用単元別確認テキストに類似の問題が多く掲載されている。問題数が少なく1問の重みが大きいので、ミスが多い生徒は、真剣にミスを無くす工夫をし続けることが必要。また、上記で紹介したよく出る単元が苦手なままにしないようこだわろう。
◆社会◆
【傾 向】
小問は例年15問程度で、今年度は大問3問構成になっていた。また、記号選択問題が多用されている。どの分野においても、地図・写真・資料・グラフが多用されており、与えられた情報から判断する問題が多い。公民分野はおもに政治分野が出題される。
【難易度】
グラフや表を読み解き、選択肢の正誤を判断する問題が非常に多く、人物・語句などの単純な知識を問う出題は少ない。グラフや表は、比較的読み取りやすい内容にまとめられているが、資料から読み取る練習が不足していたり、社会の知識が曖昧だったりすると解答は難しい。
【対 策】
地理分野は、特に統計資料の読み取りの練習を数多くすること。歴史分野は、各時代の人物や史料についての学習や、地図で場所を確認することや年号暗記で流れを整理すると効果的である。公民分野は、日本国憲法の内容や政治機関のそれぞれの働きに特に力を入れて学習してほしい。重要語句・出来事の簡単な説明をノートにまとめていく練習をつんでおこう。
◆理科◆
【傾 向】
2019年度までは大問数が7問であったが、2020年度から大問数が4問に減少。今年も地学・物理・化学・生物の各分野からそれぞれ大問1題ずつ出題されている。全体での小問数は13問。解答方法は、ほぼ記号選択問題で占められている。ここ数年出題がされなくなっていた記述問題が復活している。
【難易度】
例年、難易度にほとんど変化はない。小学校の教科書内容を中心とした問題、中学入試理科における標準レベルの問題で占められており、全般的には基礎知識の定着を問われる問題になっている。問題数は多くないので、試験時間に対しても余裕があるはずである。合格するためには、いかにミスを少なくし高得点をとれるかが勝負である。
【対 策】
小学校の教科書レベルの正確な知識を問う内容が多い。小学校の教科書の文章をよく読み、作図や記述問題への対策として、図や写真に注目しておく。また、他の私立中学の入試問題を数多くこなし、標準レベルの問題への対応力を十分に磨いておく。さらに、日ごろからケアレスミスを少なくし正確な解答ができるように問題文をよく読み、答案をしっかり見直す習慣づけが必要である。