【兵庫県】灘中学校
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中学校紹介&傾向と対策

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中学入試情報 / 中学校紹介&入試問題分析

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2025年度入試データ

入試日 合格発表日
1月18日・19日 1月21日
募集人数 志願者数 実受験者数 合格者数
男子 約180 男子 743 男子 734 男子 252
試験科目 試験時間 配点 最高点 合格最低点 合格者平均点 受験者平均点
国語1 40 80 男子 74 男子 非公表 男子 53.7 男子 47.7
国語2 70 120 93 70.0 65.0
国語計 200 158 123.6 112.7
算数1 60 100 100 66.3 51.4
算数2 60 100 100 79.9 63.8
算数計 200 196 146.3 115.2
理科 60 100 100 81.0 73.9
合計 324 350.9 301.7

学校の特色 *2024年度の情報

  • 昭和2年、灘五郷の酒造家の篤志を受け、嘉納治五郎先生を顧問に迎え創立
  • 講道館柔道の精神『精神善用』『自他共栄』を校是とする
  • 創立以来のリベラルな校風と学問への高い志の下に質の高い教育を目指している

学校情報 *2024年度の情報

  1. 入学時納入金 ※入学までに納入しなければならない費用(入学申込金・施設費・制服代などすべて)の合計
    500,000円 
  2. 毎月の納入金合計 ※中学1年次に毎月必要になる費用(授業料・教育充実費・施設費・積立金などすべて)の1か月の合計
    約54,000
    円(年間合計額÷12ヶ月で計算。毎月ではなく年4回納入。)
  3. 特待制度
    なし
  4. 学生寮
    なし                                                     

高校進学情報 *2024年度の情報

高校からの入学定員:40名
高校1年から高校からの入学者との混合クラス

主な大学の入試推薦枠

***

2024年度 主な大学の合格実績

国公立大学 私立大学
東京大学 94名 早稲田大学 40名
京都大学 53名 慶應義塾大学 33名
九州大学 2名 上智大学 3名
一橋大学 3名 明治大学 5名
神戸大学 9名 中央大学 1名
大阪大学 8名 法政大学 1名
名古屋大学 2名 東京理科大学 14名
北海道大学 8名 同志社大学 21名
広島大学 1名 立命館大学 9名
合計 232名 私立大・その他
合計
198名

大学進学情報 *2024年度の情報

  • 東京大学合格者94名(うち現役71名)
  • 京都大学合格者53名(うち現役38名)
  • 防衛医科大学校へ8名合格

傾向・難易度・対策

◆国語◆

【傾 向】
 一日目は多方面にわたる知識問題が中心である。慣用句、外来語、語彙、俳句、漢字しりとりなどから出題され、幅広い知識力の有無が問われた。80点満点で試験時間は40分である。二日目は例年通り文章題2題と詩1題の3題構成であった。文章題は論説文と随筆文の2種別から出題されることが多い。特に、今年は、大問1の論説文で、本文に表を取り入れたものが出題されたのは目新しかった。また、大問2では、R2年以来、5年ぶりに物語文が出題された(R2の前に物語文が出題されたのはH28である)。ほとんどの問題が、字数指定のない記述式の問題で、根拠となる文章中の語を的確に押さえ、場合によっては、短く言いかえたり、自分で言葉を加えたりして答えることが要求される。詩の読解は主題を読み取り、書かれている内容・意味を記述式で答える設問となっている。120点満点で試験時間は70分である。

【難易度】
 一日目は、幅広く、多様な知識が要求されるため難易度は高い。受験者平均は60点前後が多いが、2025年の受験者平均は47.7点(合格者平均は53.7点)と前年に比べかなり難化した。ここ5年で一番難しい問題群であった。二日目も、文章を正確に読み解き、理解したことを端的に分かり易く字数制限なしで記述することが要求される。昨年度は、受験者平均点66.9点(合格者平均72.9点)であったが、2025年は受験者平均点65.0点(合格者平均点70.0点)であり、昨年よりも若干下がった。例年、受験者平均点が、120点満点中60点半ば~70点はじめあたりになることが多く、難易度は高い。

【対 策】
 一日目の対策は、ことわざ・慣用句・熟語・外来語・季語などの知識事項を幅広くおさえることが肝要である。その際、グループ化しながら覚えると効率がよい。また、灘中特有の出題の仕方(例えば、大問1問5の「~しい」、大問3の「AやBや」など)にも過去問を解いて慣れておくことが必須である。総合的な語彙力が問われるという観点からは、大人向けに書かれた多くの文章に触れること、また、文章を読んでいる時に分からない言葉が出てきたら印をつけておき、後で辞書を必ず引いて、言葉と意味を書いてリスト化し、日常会話でも意識的に使うのも効果的である。二日目の対策としても、過去問を素材に問題演習を行い、的確な添削指導を受けることが効果的である。詩に関しては、茨木のり子『詩のこころを読む』など解説文が付いた本に目を通し、作者の意図の読み取り方を訓練することが有益である。

◆算数◆

【傾 向】
 2日間に分けて試験が行われ、第1日、第2日とも試験時間は60分である。第1日について、一部小設問に分かれている一問一答形式の問題が12問、設問総数が13問で、迅速な計算力や高度な処理能力が要求される。第2日について、大問数は5問、途中の式や図をかかせる出題形式で、第1日と違いじっくりと考える粘り強さが要求される。出題単元の傾向として、図形関係の出題が多く、立体図形の単元から、展開図を組み立てる問題が頻繁に出題されている。また、数の性質の単元から、余りの分類(合同式)や累乗(指数)を用いる問題など、数学的な問題が出題されており注意が必要である。

【難易度】
 今年度は、第1日例年並み、第2日はやや易しめで、合計200点満点中、受験者平均は115点、合格者平均は146点であった。ただし、算数の得意な灘受験者のレベルを考えると問題の難易度は高い。第1日、第2日ともに時間的な余裕はなく、全ての問題に手をつけることは難しい。合格点を取るためには問題の取捨選択も重要になってくる。

【対 策】
 灘中の算数は高度な思考力、発想力、そして正確かつ迅速な計算力が要求される。とにかく算数の総合的な力をつけていくべく対策を行う必要がある。第1日は、計算力と比較的基本的なパターン問題が正確かつ短時間で解ける力をつけること。第2日は文章や条件が複雑な難問でも、粘り強くじっくりと考える習慣を身につけておきたい。また、過去問から同じ傾向の問題も多く出題されている。過去問は最低でも10年分は解き、特徴をつかんでおく必要がある。

◆理科◆

【傾 向】
本校の理科は、かつては大問数7題の年が多かったが、このところ6題の年が続き、今年はわずか5題だった。特に長考を要するやっかいな問題もなく、本校受験生にとっては過去問より時間の余裕があったことだろう。この傾向が続くとは思えない。むしろ、計算量の多い年をスタンダードと考えて対策しよう。今年度の分野の内訳は、物理が2題、化学・地学・生物が各1題であった。解答数は54個。そのうち、ごく簡単な記述問題が1問、作図問題が3問出題された。必要とされる学力は多様だが、やはり物理・化学計算の存在感が大きい。

【難易度】
 当然要求される学力は最高峰である。受験用基礎知識・自然に関する一般知識・読解力・論理的思考力・計算力・記述力と、さまざまな知的能力が多角的に試される。特に、関西圏の私立中学の特徴として、物理・化学・ときには地学分野(天体や気象)の計算難易度が高いことがあげられる。にもかかわらず、ライバルとなる本校受験生たちの平均学力は高く、今年度は受験者平均が73.9点、合格者平均は81.0点であった。

【対 策】
 まずは、小6夏休みまでに、4分野の全領域にわたって基礎理解を徹底すること。目先の単元テストのための安直な結論暗記などは完全に無効もしくはしない方がよい。「理解したから覚えている」「理解したから応用がきく」という学力でないと、トップ校の本格的な難問には太刀打ちできない。さらに、本校受験に向けては、スピーディかつ正確無比な計算力(物理や化学的思考+四則計算の正確性)を強化して臨まなければならない。