回文
「始めから読んでも後ろから読んでも変わらない文」のことを回文と言います。
日本語では、「トマト」、「しんぶんし」、「たけやぶやけた」といったものが有名です。世の中にはいろんな人がいるもので、ちゃんと回文作家なる人々が存在し、日夜新たな回文が作り出されているそうです。
調べてみたところ、次のような例がありました。
- ●「夏まで待つな」:夏休み前から本格的に受験勉強しろということでしょう。
- ●「相談とはとんだ嘘」:確かに、相談しているように見せかけて、実は既に結論は決まっているという場合も多いのです。
- ●「世の中ね、顔かお金かなのよ」:そこまで言い切られると悲しいものがあります。
他には、次のような例があります。
- ● Poor Dan is in a droop.(かわいそうに、ダンはうなだれてしまっている。)
- ● Sir, I'm Iris.(あなた様、私がアイリスです。)
- ● Was it a cat I saw?(私が見たのは猫でしたか?)
※強調構文でthatが省略された形。Was it a cat that I saw?と考えます。 - ● ``Nurses run.'' says sick Cissy as nurses run.(看護婦たちが走っているときに、病気のシシーは「看護婦たちが走ってる」と言う。)
- ● Able was I ere I saw Elba.(エルバ島を目にするまで、余は有能であった。)
※俗に、エルバ島に流されたのちにナポレオンが言ったとされる台詞。ereはbeforeの意の古語。
言語の構造上、英語では日本語よりも回文を作るのが難しいようです。eye、deed、levelなど、語単位でのpalindromeは数多く存在するのですが。英語で長いpalindromeの文を作るのは相当困難です。
ちなみに、オクスフォード英語辞典に収録されている最長のpalindromeの語はtattarrattatという語で、ジェイムズ・ジョイスの小説「ユリシーズ」の中に登場し、ドアをノックする際の擬音語として用いられています。