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中高一貫部 英語コラム

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vとu

イタリアのファッションブランドの一つに「ブルガリ(Bvlgari)」があります。ブルガリは創業者の名前ですが、bvlという部分の綴りは何か変な感じがします。Bulgariなら分かるけど...と思いませんか?

アルファベットでは、もともとuとvが区別されておらず、字体が違うだけで同じ文字だと見なされていました。17世紀ごろになると区別されるようになり、母音はu、子音はvと使い分けられるようになったのです。

考えてみると、アルファベットのwは「ダブリュー」=「ダブル・ユー」ですが、字の形はuu(uが2つ)ではなくvv(vが2つ)です。このことからも、昔はuとvが区別されていなかったということが分かります。

つまり、Bvlgariという名前はわざと昔ながらの書き方で綴っているということです。

日本の鉄鋼メーカーの「新日鉄」は、正式には旧字体で「新日本製鐵株式會社」と書きましたが、これと同じようなものと考えればよいでしょう

なお、「uとv」のように昔は区別されていなかったアルファベットの例として、ほかに「iとj」があります。これも17世紀ごろに、母音はi、子音はjと使い分けられるようになりました。現在でも発音記号ではyの音を[j]という記号で表しますが、これはその名残りと考えるとよいでしょう。

なお、新日鉄が「鉄」ではなく「鐵」を用いていたのは、「鉄」という字は分解すると「金を失う」となり縁起が悪いからだそうです。一方で、「鐵」という字は「鐵は金の王なる哉」と読むことができます。