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中高一貫部 英語コラム

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ヒゲ

「ひげ」と言われても、日本語では単に「ひげ」としか考えませんが、英語では同じ「ひげ」でも部位によって別の語で表現します。

beardが「あごひげ」

mustacheが「口ひげ」

whiskerが「ほおひげ」

それから、もみあげからつながっているほおひげのことはsideburnsといいます。

このうち、beardは口ひげやほおひげのこともまとめて指すこともあるので、ただ漠然と「ひげ」と言いたい場合にはbeardを用いるのが無難でしょう。ただし発音には注意が必要。無理に片仮名で書くなら、「ベアード」ではなく「ビアード」です。ビアードパパというシュークリームのチェーン店がありますね。

これらの語のおぼえ方

これらの語をおぼえる際には、漫画のように人の顔を描いてみて、それにヒゲの絵とその英語を書き込んでみるとよいでしょう。

高校時代の友人は、「あごからヒゲが『びあーっ』と伸びているからbeardはあごひげだ」と言っていましたが、そういうふうなこじつけでも語呂合わせでも、それでおぼえやすくなるなら何でもOKです。

もうちょっとまともなおぼえ方としては、mustache「口ひげ」はmouth「口」と同源であると考えるというのがあります。これでずいぶんおぼえやすくなります。

それにしても、たかが「ひげ」を英語ではなんでわざわざ別の語を使い分けて表現するんだろうという気もします。日本語のように、「あご+ひげ」「口+ひげ」みたいになっていれば、「ひげ」という語を何種類もおぼえなくて済むのに...。

しかし、ひげをただのひげだと侮ってはいけません。ひげはある場合にはファッションであり、ある場合には権威の象徴であり、ある場合にはその人の生き方そのものでもあるのです。ひげをこのように意味深いものだと考えれば、わざわざ別の語で呼び分けるという手間を払う甲斐もあるものです。

実は「ひげ」って凄い

が。実は、英語だけでなく日本語でも「ひげ」は本来別の語をあてて区別するのです。

「髭」が「口ひげ」、「鬚」が「あごひげ」、「髯」が「ほおひげ」です。

「髭」「鬚」「髯」は、訓読みすればどれも「ひげ」ですが、音読みだとそれぞれ「シ」、「シュ」、「ゼン」となります。

三国志の英雄の一人である関羽は、美しいひげをたくわえていたことから「美髯公(びぜんこう)」と呼ばれました。「髯」なので、これは「ほおひげ」のこと。

このように、「日本語(と、もともとの中国語)でもひげは部位によって別の字をあてるんだ」ということが分かると、英語が面倒などとは言っていられません。がんばっておぼえましょう。