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フランス語由来の語彙

Grand Prixは「グランプリ」、gourmetは「グルメ」、hors d'oeuvre「オードブル」です。

なんとなく「グランド・プリックス」や「ゴーメット」などと読みたくなってしまいますが、そうではありません。

普通の英単語と読み方がちょっと違うのは、これらがフランス語由来の語彙だからです。

日本語に外来語(カタカナ語)が入っているのと同じで、英語にもフランス語などからの外来語が多数入っているのです。

イングランドでは、近代に至るまで、上流階級を中心に広くフランス語が用いられていました。そのため、英語にはフランス語の語彙が数多く流入しています。

こうした語には日本語でなじみの深いものも多く、まとめて見ておくとスムーズに習得できて、英語の語彙力を伸ばせます。

ぜひ次のような特色を押さえておきましょう。

フランス語由来の語彙の特色

【1. 宮廷用語など、上流階級の生活に関する語彙が多い】

イングランドでは、かつては「上流階級はフランス語を話し、庶民は英語を話す」という状況が見られました。そのため、フランス語由来の語彙は宮廷用語などに多く残っています。

【2. 語末の子音を発音しない】

フランス語では原則として語末の子音字を発音しません。たとえばフランスの首都は「パリ」ですが、綴りはParisです。また、「レストラン」はrestaurantです。どちらも語末の子音(sやt)を発音していません。「パリ」や「レストラン」はフランス語由来だからです。

ただし、英語ではParisのsやrestaurantのtはふつう発音します。

このフランス語の発音ルールの影響で、英語でも語末の子音を発音しないものがあります。

たとえばdebut「初舞台、デビュー」やballet「バレエ」は語末のtを発音しません。esprit「機知;エスプリ」もそうですね(これはspiritと同源)。

【3. hは発音しない】

フランス語ではhは発音しません。

hors d'oeuvreは「オードブル」です。

【4. chの綴りは「シュ」の音になる】

英語ではchは「チュ」の音になることが多いのですが、フランス語では「シュ」の音になります。

たとえば、「シックな、あかぬけした、上品な」といった意味のchicは、「シック」であって「チック」ではありません。

また、英語ではchocolate「チョコレート」でも、フランス語ではchocolat「ショコラ」です(語末の子音が発音されないことにも注意)。

ついでに「シャンデリア」はchandelierです(これはcandle「ろうそく」と同源)。

【5. enの綴りは鼻母音になる】

あえて仮名で表記すれば「あ〜ん」「お〜ん」のような音になります。たとえばensemble「アンサンブル」、encore「アンコール」など。

【6. 強勢は語末に置かれる】

フランス語ではふつう語末に強勢が置かれます。この影響で、英語でもフランス語由来の語は多くの場合語末に強勢が置かれます。gourmet、debut、ballet、encore、chandelierなどみなそうです。

このように、「フランス語由来」という共通性を意識すれば、ずいぶん語彙を身につけやすくなるのではないかと思います。