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qのあとはu

まず、英語でqで始まる単語を思いつく限り挙げてみてください。

question、queen、quiz、quick、quarter、quality、quantity、quote、...

無数にありますが、こう並べてみるとすぐに共通点が分かります。

「qのあとは必ずu」

これが共通点です。

英語ではqという文字は必ずuと結合して-qu-と綴ります。

例外もある

ただ、他の言語から英語に入ってきた外来語や略語などはこの限りではありません。

たとえば中東の国カタールはQatarでありquとなっていませんが、これはアラビア語から英語に入ってきた外来語だからです。

それから、一般的なパソコンのキーボードのことを「クワーティ・キーボード」qwerty keyboardと言います。これもquとなっていませんが、このqwertyという語はキーボードの英字部分の最上列が「左からq-w-e-r-t-yとなっている」ということに由来します。キーボードの配列を見てみてください。

このように外来語や略語の例外はあるとはいえ、英語では、語頭、語中を問わず、「qのあとはu」というのが原則です。antique、conquer、require、liquid、などなどなどなど...

実は日本語にも

さて、この「qのあとはu」というような原則と似た事例が、実は日本語にもあるのをご存じでしょうか。

正解は、「『みゃ』のあとは『く』」という原則です。

日本語では「みゃ」のあとには「く」しか来ることがなく、結果としてこの「みゃ」という音は「脈」という漢字でしか出てきません。

言われてみれば確かに...という感じですが、「く」以外の音が「みゃ」に続かないというのは不思議といえば不思議ですね。

何となく納得がいかない場合は、「みゃあ」「みゃい」「みゃう」「みゃえ」...というように五十音を順に当てはめて検証してみてください。あるいは電子辞書で検索してみてください。日本語には本当に「みゃく」しかないんです。

もちろん先ほどのquと同じように、外来語などには例外もあります。たとえば東南アジアの国の「ミャンマー」は「みゃく」と続かないので例外です。

それから、「みゃく」だけでなく、次のような規則もあります。

・日本語では、外来語を除き、「みゅ」という音は存在しない。外来語では「ミュージック」、「ミュータント」、「シミュレーション」などと多々存在する。

・日本語では、外来語を除き、「みょ」のあとは必ず「う」である。「微妙(びみょう)」「異名(いみょう)」「明日(みょうにち)」など。

私たちはふだんから日本語を使っているわけですが、それでも「こうした規則性は知らなかった」という人が多いのではないでしょうか。

日本人がよく間違う読み方

ところで、simulateやsimulationを、日本語で「シュミレートする」、「シュミレーション」というように読む人がいます。正しくは、「シミュレートする」、「シミュレーション」です。

これは、もともと日本語に存在しない「みゅ」という音が日本人にとってなじみにくいから、ついつい「シミュ」ではなく「シュミ」と言ってしまう、ということではないでしょうか。