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中高一貫部 英語コラム

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レトルト食品

カレーなどのレトルト食品は、鍋や電子レンジで温めるだけの手軽な食べ物としてすっかり普及していますが、さて、それではこの「レトルト」とは何でしょうか。

「レトルト」は英語ではretortです。

retortという英単語は、ふつうはまず「言い返す、仕返しする」といった意味でおぼえますが、もともとは「ねじり返す」という意味です。レトルト食品を作る際の密封加熱殺菌用の容器がねじれた形状をしていたため、この容器のことを「レトルト」と呼び、その容器で作られた食品をレトルト食品と呼ぶようになっています。

「レトルト食品」と「報復、応酬」が同じ語であるというのは面白いですね。

単語の由来

このretortのtortの部分は、twist「ねじる」の意のラテン語に由来します。tortという語幹を含む語を挙げておきましょう。

torture「拷問;拷問にかける」

distort「ゆがめる、ねじる;曲解する、歪曲する」

torment「苦痛、苦悩」

contort「ねじ曲げる」

tort「不法行為」

torture、distort、tormentは大学入試レベルの単語ですので、中学高校のうちにおぼえておかなければいけません。

それから、「たいまつ、トーチ」の意のtorchも、もとは「ねじったもの」の意です。さらに、機械の「トルク」torqueも同源です。このように、カタカナ語として知っている言葉をきっかけにして英語の知識をどんどん広げていくことができます。