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イグノーベル賞

イグノーベル賞(Ig Nobel Prize)という賞があります。これ、どういう意味かわかりますか?

noble「気高い、高貴な」の反意語がignoble「恥ずべき、不名誉な」です。ig- という接頭辞はin- (im-、 il-、 ir-) と同じで「無、不 (not)」という否定の意味を付け加える接頭辞なのですね。たとえばignore「無視する、知らないふりをする」も語源はnot to knowの意です。

したがって、「イグノーベル賞」は「ノーベル賞」(Nobel Prize)のパロディというわけです。真面目な研究に対して与えられるノーベル賞に対して、イグノーベル賞は「人々を笑わせ、同時に考えさせる研究」に対してのもので、受賞者には賛辞だけでなく笑いや皮肉をこめて授与されます。

これまでのイグノーベル賞の受賞者を見ると...

1996年イグノーベル平和賞の受賞者はフランスのシラク大統領。授賞理由は「広島原爆投下50周年を記念して太平洋で核実験を行った」ことに対して。もちろん皮肉です。

2002年のイグノーベル平和賞は、玩具メーカーのタカラから発売された犬語翻訳機「バウリンガル」に与えられています。「犬語翻訳機の発明によってヒトとイヌに平和と調和をもたらした業績に対して」だそうです。

また、2006年のイグノーベル平和賞は、「十代の若者には聞こえるのに大人には聞こえない高周波ノイズを発する技術の発明」に対して贈られました。人間は歳をとるにつれて高音域が聞き取れなくなるらしく、若い人には聞こえるけど歳をとると聞こえない音というものがあるのだそうです。この技術は「不快な音を発してティーンエイジャーを撃退する機械」に使われている一方、「学生には聞こえるが大人の教師には聞こえない携帯電話着信音(授業中に鳴っても先生にばれない)」にも使われているとのことです。

イグノーベル賞についてはweb上の公式サイトに詳しく紹介されており、過去の受賞者一覧なども読むことができます。それほど難しい英語ではありませんので、ぜひ一度読んでみてください。つい笑ってしまうほどくだらない研究や考えさせられる出来事がいっぱいです。